これは昭和58年に竣工した墨田区の8階建て56戸のマンションの事例です。当初、このマンションでは、大規模修繕を理事会だけで進めていました。理事会には、17の工事会社から見積が提出されましたが、戸当たり金額が40万円のものから100万円を超えるものまであり、開きが大き過ぎるため、理事会はその後の進め方をどうしたら良いのか分からなくなってしまったというのです。
このケースの問題点は、何も条件を詰めないで見積を依頼したことです。工事会社によって、使う材料も違いますし、工事範囲についての考え方も違いますから、大規模修繕工事の条件を詰めなければ、各社の見積を比較検討することは困難です。このマンションの管理組合の場合は、振り出しに戻って、専門委員会を設置し、調査診断会社を選考して、総会で建物調査と修繕設計の予算承認を取ることにしました。大規模修繕工事を進める際は、建築設計会社など、プロの第三者に依頼して、見積のための仕様書や数量計算書を作成することが大切です。同じ条件で見積を依頼するによって、はじめて、各社の比較をすることが可能になります。